夕暮れの音色

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今日は用事があり、京都の四条烏丸に行きました。

晴れてはいましたが、暑さは少し和らいでいました。


四条の道路沿いの商店街を歩いていたら、空に飛行機雲が出ていました。

行き交う人の群れから、自分だけ止まった様に、私は端へ寄り飛行機雲を見ていました。


その四条へ行く電車の中で、ずっと私はある事を疑問に思い、誰かこの質問の答えを教えてくれ!と心の中で唱えていました。

そんな思いで四条に着き、烏丸の方へと歩いていた時の出来事です。
飛行機雲を見たのは。



その時は

『ああ、綺麗な飛行機雲やなぁ・・・』

としか思わず、やり過ごしました。



四条烏丸で烏丸線に乗り、北大路のギャラリーでのグループ展を見に行きました。

出品者の人といろいろギャラリーで話し、楽しい一時を過ごし、また電車で帰って来ました。



帰りは四条烏丸から乗り換え、三条に行き、三条からおけいはんで帰って来ました。


そのおけいはんの電車に揺られていた時、ふと窓の外を見ると、絵に描いたような青い色が街を包んでいました。


夏の夕暮れは明るい青い色で、上の写真の絵に使っている青色みたいでした。

絵の具の青い色に染まっている街はとても愛おしく、本当に絵の具の薄い明るい青い色が世界にあるのだと感動しました。


だんだんその青色は濃くなり、紺色になって行きました。

家の最寄り駅から自転車に乗る時は、月が出ていました。


月が出ている時でさえ、空は青色でした。

深い深い紺色に近い青色で、色が心に沁みました。



家に帰って来て、ご飯を食べて、テレビを付けたら、宮崎駿さんのアニメがやっていて、ボンヤリ観ていましたが、エンディングになり挿入歌が流れ出したら涙がジワリと目に浮かびました。



そして、そのアニメが終わり、今年の夏の宮崎アニメの特番が少し流れ、私は驚きました。

今日、電車の中でずっと答えを欲していた出来事から、ようやく答えのようなキーワードに辿り着いたと思いました。

否、今日一日の一連の出来事はこのほんの少しの特番に繋がっていたのだと思いました。



電車の中でずっと、何故?何故?何故?と問いかけていたからでしょうか?


宮崎駿監督の今年の夏のアニメの主題歌はユーミンさんの ひこうき雲 。

それは前から知っていたのですが、ひこうき雲という歌を知らなかったので、初めてじっくり聴き、良い歌だなぁと思いました。


その時、アニメのあらすじも少し紹介されていて、そのあらすじを知り、納得が行きました。

飛行機雲を四条の街で見たのは、これに繋がっていたのかと、あらすじを見ただけで涙が出ました。



ユーミンさんの歌は私はリアルタイムで聴いていた世代ではないのですが、大好きで、パソコンの中にも入れて時々聴いています。

【春よ、来い】【アカシア】【ダンデライオン】【優しさに包まれたなら】【hello,my friend】【あの日にかえりたい】
などなど・・・心に響く歌ばかりです。

こないだから、音楽の事もブログに書いているので、音がもの凄くクリアに聴こえて来ます。

【ひこうき雲】の歌は歌詞はあまり覚えていませんが、夏の日が陰り始めた空を飛ぶ飛行機雲そのもので、生温かい地面と河原の草を揺らす風を感じる音でした。



空がだんだん茜色に染まるのをじっと見ながら、自分の夢を信じてみようと決意したような。

どうする事も出来なかった死を、受けとめようとした日に見た空のような。

自分の行く末が見えない時の満員電車の中でふと見上げた窓の景色のような。


鮮やかで哀しくて誰にも言えないモノを空だけが聞いてくれたような。


そんなモノを思い出す、数分の夏の宮崎アニメ最新特番でした。




私は人が沢山いる映画館は嫌いなので、明日公開の宮崎駿さんのアニメはまだ見に行きません。
ちょっと空いたくらいのレディースディに行くのです。

大学時代の友人は、いつも初日に行くと自慢げに言っていたのを思い出し、

『ああ、また人ごみの中をかきわけて観に行くのだろうなぁ』

と思い二ヤリとなりました。





何年か前から、私は油絵を描く時、どうしても描きたいモチーフがその都度表れるのです。

それが表れるのは決まって、無念な気持ちや何かを晴らしたい一心の時に、ポワンとモチーフが決まります。



いろんな人が私の油絵を見て、素敵な感想を言ってくれたりしますが、私はいつも ”油絵は素敵なモノではない”と心で思っています。

感想を言って下さる人に反論をするわけではないのですが、素直な気持ちとして、”嬉しい!楽しい!”という感情で描いたモノは一つも無いのです。

ドロドロの後悔が引きずり出したボロ布のような思いや、積年の恨みつらみや、解り合えないどん底の諦めに似た思いや、泣き寝入りした思い出したくない気持ちを抱きながら絵を描くのです。

だから、

『素敵ですね』

なんて言われると、正直、赤面しそうになるのです。


でも、不思議なもので、どれだけ描き手が腐ったような気持ちを抱えながら描いていても、絵は反比例して生きるのだと思います。





病床の窓から見えた月。

別れを惜しんで泣いた目に映った嘘みたいな真っ白なシーツ。

もがいて引っ掻いた腕に滲んだ血の色。


鮮明に記憶に残るのは、私の場合、無念な気持ちの時や哀しくも美しいモノを感じた時で、そんなモノを実は絵にしていますなんて、大きな声では言えません。

何故言えないのか・・・?

言えない事程、己を眼の生き物にしてくれるのだと思います。




電車の窓からの景色が、夜ではなく、絵の具の色だと感じる事を、これほど愛おしくそして自分らしく感じる事はない、と思い、腐ったような心で描いている自分は何故か世界全体に抱きしめられているのだと思い、一人胸が熱くなりました。


片方の目がストレス漬けでほっておいたら失明するかもしれないという事を知った日、私は目が見える事がこんなに絵を描く自分にとって最高の宝物なのだという事を知りました。


まぁ人間なんて放っておいたら寿命で失明どころかぽっくり行くものですし、そんなに気にしてもいないですが。





何かを強烈に意識させる為に、自分に起きる事があって、それが生きる目的になって行くのだなぁと今日思いました。




夏が暑くて嫌だ嫌だ!と言っていましたが、夏の夕暮れは夏だけのモノです。

誰かの映画より、歌より、一番心に響く音が鳴っています。

そこん所は、やはり夏が来ていて良かったと思います。



ガンガンの蝉の合唱には毎朝参りますが、夕暮れが来ると思うと、夏も良いモノです。
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by matsu-komichi | 2013-07-20 00:46


『コミチ ピクトゥーラ』 油絵・写真・音楽・自然観察を楽しみながら日記のようなものを書いています。


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